小諸なる古城のほとり ③

町はずれを走っていると小さな川があった。
標識を見ると《千曲川》とある。
えっ、千曲川ってこんなに細いの? びっくりしたけどここから犀川になり、最後には信濃川と名前を変え、一級河川になって日本海に注ぐのだ。
ここが本当の千曲川の幼少期? だった。
清らかで、涼やかで、木々が手を差し伸べていて、水が踊っている。光っている。

気持ちの中まで小波が流れて来そうだった。
                    M・Y