やっと やっと。  待ってました‼!

とうとうやって来ました4月17日が。辻井伸行 佐渡裕 BBCフィルハーモニックのコンサートの時が来た。それもフェスティバルホールの杮落としなのだ。堂々としたホールの側面には、あの懐かしい“牧神 音楽を聞く”のレリーフが。
これがなくっちゃフェスではないよ。

































ホールに入ると物凄い反響板の数に圧倒される。さすがに〝天から音が降る〟と言われるホール。楽しみ。  静かに静かに始まった「真夏の夜の夢
囁くように、妖精たちが笑いながらの飛び交うようなフルートの音色。小さな小さな音色なのにホールの隅までつつみこんでいる。
何故か辻井君の奏でるピアノに涙がこぼれた。
視覚障害を抱えた人が奏でているから…という涙では無い。もしそうなら音楽の神様に失礼なこと。気づかない内に心が震え涙が頬を伝う。
ああ、止めないと…この音までもが拾われてしまう。
彼のこの曲を聞きたかったんだ。ラフマニノフ ピアノ協奏曲第二番  
なんだか判らんけど魂が押し寄せてくる。いつまでも、何時までも聞いていたい。
何回も何回もアンコールはつづく。 
何回目かのあと、彼はチョコンとピアノに向かった。一瞬にして会場は 水を打つ。
一呼吸おいて、突然“ラ・カンパネラ”が鳴り響いた。
若いカンパネラだ。フジコ・へミングのも鮮明に記憶にある。でも彼のは若くて透明なんだ。
それにしても二人ともどうしてあんなに猫背で大袈裟なタッチでないのにあの曲が弾けるのだろう。それぞれの、独自の自然体なんだ。
きっと神様は自然体を応援してはるのだろう。そして、生き方そのものにもエールを送ってはるに違いない。
                        M・Y