いい出会いもありました


今回の旅行は観光が目的であり
あまり人と出会うということはなかった。
それでも印象に残る交流はあった。
ウイーンのアルベルタ美術館に行った時のことである。
ここは古い建物をうまく改築していて、
バリアフリー化も考えられており、
ヴェルベデーレ宮殿よりずっと楽に観賞することが出来る。
展示物が多く結局ピカソ、モネなどの印象派の作品しか
みることは出来なかったのだが、
そのフロアーでのことである。
私とM,Iさんはそれぞれに分かれて作品を見ていた。
ふと気が付くとM,Iさんの車椅子の傍に人がいる。
近づくと白人の老夫婦である。
品のいい服装を決めていて、としのころは80歳前後に見える。
男性の方が車椅子の手すりを持ち押そうとしているのだ。
動作をみていると脚も少し弱っているみたいだ。
私はM,Iさんが自分で移動出来ることを話すと、
安心したようにお二人が笑顔を見せてくれる。
なんとも言えない優しい笑顔だ。
M,Iが持って来た折り紙の鶴を渡すと
たいそう喜んでくれた。
こういう人達を見るとヨーロッパは大人だなと思う。
私もそろそろ大人にならなくては。

shinya