日本一女優のおしりを触った役者さんに合掌


森繁さんが亡くなった。
私は彼のヒット作である社長シリーズはほとんど見ていない。
生でバイオリン弾きをみたわけでもない。
だから役者としての森繁よりも
むしろ歌い手としての森繁の方が印象が強い。
有名な知床旅情も好きであるが、
一番好きなのは彼が唄った「ドジョッコフナッコ」である。
多分四国かどっかの方言で、
自由自在に唄うその曲は
それまで聞いたどのジャンルにも属さない異質なもので、
最初に耳にした時はかなりの衝撃を受けた。
その度合いは「帰って来た酔っぱらい」に出会った時にも
匹敵する。
なんだこのおっさんは!と思った。
後に彼が満州から引き上げて来た時に
古川緑波といっしょに活動をしていた事を知り、
納得がいった。
緑波の言った名言がある。
「セリフは歌え!歌は語れ!」
まさに森繁さんの歌や演技がそれであった。
どうせまたマスコミは
「これで昭和が終わった」とか
「最後の役者が逝った」とかいうのであろう。
でも森繁さんはそんなことを思うはずがない。
きっと私の後をだれかが継いでくれる、
そう信じて、あっちへいったのだと
私は思うのだ。

shinya