ドイツ行きのしめ


今年はずっと行くことが無かったオーストリアとドイツに行った。
東欧などまだ知らない所もあるが、
ヨーロッパの主要な国はだいたい旅をすることが出来た。
何度行ってもヨーロッパに対する興味は尽きない。
フランスの田舎の風景を見たいし、シチリアの海にもひかれる。
アイルランドのパブで音楽を聴きたいし、北欧の国も今一度訪れたい。
何故これほどまでに私は引き付けられるのだろう。
理由は色々とあるが、一番は古い物を大切に残そうとする姿勢が
どこの国にいっても感じられるからだと思う。
ヨーロッパの美しい自然や町並みはたまたまそこに残っているのでは無い。
人々の多大な努力によって守られ、再建されたものである。
久しぶりに訪れても変わらず迎えてくれる景色は
人間の強固な意志を持って保たれているのだ。
それに比べて我が国、日本はどうだろう。
世界的にも貴重な木造の建物はいとも簡単につぶされ、
街並みは20年しかもたないぺらぺらの家に覆いつくされている。
海外に住んでいるある知人は日本に帰ってくると
すぐに京都へ行く。
そして「ああ、日本に帰って来た」とアイデンティティを再確認するそうだ。
でもそれはやはり変だ。
自分の街に帰ってそれを感じなくちゃおかしい。
子供の時、新しい筆箱を学校に持っていくと、
「お初!」って背中を叩かれた。
だから新品を持っていくと
ちょっと恥ずかしい気分であった。
新しいものはかっこ悪いし、
古い物はかっこいいのだ。
まだまだヨーロッパに学ぶことは
色々ある。

shinya