私を待っていたクリムト殿  Ⅱ

ベルべデェール宮殿は広い。そして、やたらに階段が多い。このなかでクリムトは待っていてくれるのだ。 恋する人に会うためにはしんどい目〜をせなアカンらしい。
チケットを買う時、何かの役に立つかと持ってきていた身障手帖を見せてみた。
何と、うなづいて割り引いてくれた。なんでもやってみるもんや! って言うか見たら判るのでその制度のチケットが使えただけの話やと思う。けど面白かった。 難儀なのは入口までで、中はしっかりとエレベーターが完備されていた。 いよいよご対面。
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長い間の夢がかなった。背筋に電気が走った。周りの喧騒も、聞こえなかった。空洞の中に一人でいる気がした。金箔の輝きは優しく、ゆらめいていた。
ふと気が付くと小さな子供達がいる。そして、先生らしい女の人が子供達の目線にしゃがんで絵の説明をしている。日本では考えられない風景だった。
聞いた話によると学校での美術の時間は、クラス毎に美術館巡りをするんだって。それもタダでやで〜。  すごいですね。
芸術が育つ土壌は豊なんだなぁ。  
小さな子供がクリムトを見ている姿が忘れられない。
                              M.Y