堺のロバート・ジョンソン(R・J)に会った


17日に堺のある障害者作業所のイベントに呼ばれて
紙芝居と音楽のライブをやった。
作業所の女性スタッフ一同による華やかなフラダンス、
紙芝居や音楽の時間も無事終了し、帰る支度をしていた。
気がつくと作業所の利用者の一人がぽつんと部屋に残っている。
彼は何をするのもゆったり、ゆっくり。
いつも作業が終わり、片づけて、靴をはいて自転車に乗って帰るのだが、
決まったルーティーンをたどって自転車が動きだすまで
かなりの時間がかかる。
ところがその日はじっと動かずに立ちつくしたままなのだ。
作業所のフタッフが教えてくれた。
「彼はギターを弾くのが好きで、今日ギターを見るのを楽しみにしていたんです。」
私は彼に椅子に座るようにうながし、マイギターを手渡した。
彼はギターをいつくしむようにゆっくりと撫ぜ回した後、
静かに音を鳴らし始めた。
アンプにつないでいないので音はよくわからないが、
コードもちゃんと覚えている。
私は彼がギターを弾く姿に引き付けられた。
まるで昔のブルースシンガーのようだ。
私は彼の出す音を聴いてみたいと思った。
きっとやさしいピュアーな音が聞こえるはずだ。
自分も音をもっと大切にしよう、
大事なことを彼から学んだ。

shinya