カポナータvsラタトゥイユ!!


信州からの帰り、東京の知人宅でカポナータを作った。
平たく言えば夏野菜のトマト煮込みということで、
パンにもパスタにもご飯にもあうので、
暑いときには非常に重宝する。
私はイタリア料理この料理を覚えて
何人かの知り合いにも料理を教えたりしているので、
今回も調理中に「何作るの?」と聞かれると
本当はカポナータと答えたい。
しかし何故か口から出て来たのは「ラタトゥイユ」であった。
なんでこうなるかというと、世間的に認識されている名前は
圧倒的に「ラタトゥイユ」の方であり、
今まで何度となく「カポナータって何?」と聞かれ、
いいかげん邪魔くさくなってしまったのである。
この二つの料理については
ビネガーを使うか使わないか、
ナスを素揚げするかどうかで
違う料理であるといった意見もあるが、
どちらも家庭料理なので
私はおんなしようなものだと考えている。
それでは何故カポナータの存在感が希薄なのか?
それは料理名に原因があるのではないだろうか。
カポナータと同じような響きのイタリア語はいくらでもある。
トンナート、マリナーラ、アラビアータ
料理だけでもいくらでも出てくる。
私自身もたまに間違えて言ったりする。
それに較べて「ラタトゥイユ」の音の響きは
一度聞いたら忘れることがない。
だから認知度は全然違う。
料理が出来上がり宴が始まった。
「これは何と言う料理ですか?」という質問に
私はにこやかに答えた。
「これがラタトゥイユです」

shinya