喜界島に上陸!

朝の5時、船は島に近づいた。
船から見ると山とかが無いので、
明かりがぽつぽつと見えるだけで、
まるで船が集まっているように思える。
フェリーが静かに港に着き
車で上陸した。
窓を開けると生ぬるい空気が入り込む。
まさに熱帯夜である。
朝も早いのに友人と一番下の女の子が
港の出口で待っていてくれた。
何十年かぶりであった友人は
顔の作りはあまり変わっていないのだが、
若き日のがりがりの身体は見事な太鼓腹に変わっていた。
娘さんはまだ小学校の低学年、
私たちが島に来るのを
何ヶ月も首を長くして待っていてくれたそうだ。
うれしい事である。
そのまま我々が泊まる丘の家に向かう。
かなりの距離を走ったのだが、信号につかまることは無かった。
後日聞いてみると、
島に信号はひとつしかないそうである。
やがてガジュマロの木陰にある家に着いた。
まだ出来立てである。
こんな新品の所に泊めてもらっていいのだろうか?
疲れていたので少し仮眠を取ったのだが、
東向きに大きく作ってある窓からの朝日に目が覚めた。
窓から見えるのは一面のトウキビ畑、
その中にまっすぐと走るあまり太くない道、
道と畑はずっと向こうのほうでまあるくなって消え、
その向こうには真っ青な海が輝いている。
そしてその上にはよどみのない、空と
何日か立つと日蝕という素晴らしいショーを見せてくれる
太陽。
これで感動しないでどうするの、
というような凄い景色である。
いよいよ我々の喜界島生活が始まった。

トウキビ畑の一本道に立つ友人の末っ子のサクラちゃん


shinya