端午の節句

もう何年も開けていない箱がある。端午の節句になると開けようか開けないでおこうか迷っていた。

外は見事に青葉が繁り、木々は青空に逞しく顎を上げ、拳を突き上げている。自然はこんなにも生きる事を楽しんでるやん。
私も“生きることを楽しもう”と決めたやんか。
なにを思い悩んでるの。もう、前に進もう と決めたやん。

そっと箱の蓋を開け、覗いてみた。
ひっそりと五月人形が いた。

お祝にもらった時のこと  喜んでいた子供の顔や声が重なった。
やっぱりまだ出されへん。  来年まで待ってね。


押入れの 五月人形 まだ子供

               M・Y