ラテンの血


子供の頃から一生に一度でいいから見たかった祭りがある。
といえば、そうです、リオのカーニバルです。
結局今の今までブラジルにすら訪れたことはない。
何故かというとやっぱりやばそうだから。
サンバのリズムを聞くと私は踊りだし、
パスポートやらお金やらあっと言う間に身ぐるみはがされてしまいそうだ。
そう考える一方で「実際行ったら、たいしたことあれへんのんちゃうん?」
とか思っていたのだが、
先日サッカーを観戦してその考えは過ちであることを確信させられた。
アルゼンチンサポーターは前の試合からほぼ立ちっぱなし、
応援は途切れることはない。
たまにスタジアム内に女性の声は遠くまではっきりと聞き取れる。
あんたいったい誰?ひょっとしてオペラ歌手??
私の隣のおっさんは片手で柵につかまり
身体を大きく前に出し、もう一方の手を激しく付きだし叫び続ける。
お前は天王寺動物園のチンパンジーか?
目を見るともう正気は失われている。
はっきりいって怖い!
暴動を起こしつつある大群衆を見た気がする。
やはりカーニバルはテレビで見ることにしよう と思った。

shinya