ハワイよいとこ一度はおいで♬  ⑤

再度挑戦! と走り出した。所が行っても行っても何もない。Uターンを何回もくりかえす。時間はドンドン過ぎて行く。気分転換にラジオをつける。だが何を言うてるのか分からんのでカントリーを選曲。最後までカントリーばかりだった。Sさん「俺一体どっち向いてるか分からんようになったわ。どうしたらええと思う?」と私に訊く。「なんで私に訊くのん」Sさん「もうどうしたらええか分からんわ。アンタやったらどうする?」 私「さっき訊いたんとちゃうのん。そうやなぁ、方法は3つや。もう一度ヒロ空港まで戻って訊くか、このまま走り続けてどこかでホテルに℡するか、もう一度ガソリンスタンドに戻って見るか、やなぁ。スタンドに戻るのが一番確かやで〜。ちょうどガソリンも無くなるのんとちゃうかなぁ」Sさん「決めた。そうするわ」とまたまたUターンをしガソリンスタンドへ。今度はガソリンを入れるので“お客”である。(しっかり訊いてこいよ)と心で叫ぶ。
Sさん「もう分かったで〜 だいじょぅぶや。この道で合ってるねんて」(当たり前やろ。ここしか無いやんけ〜)と胸の内は少し下品に叫んでる。
モニュメントのちょっと向こうとのこと。モニュメントも何度見たことか‼ 髄分行っても何も無い。いつもはあんなに強気なSさん。勢いが無くなってきたやん。またまた不安そうに「ほんまにここかなぁ。スタンドの人はちょっと向こうや、言うたけどなぁ」と弱気である。
私「ゆったりしている所の人の“ちょっと”は案外遠いよ」とアドバイスする。そして大分戻った所に標識が見え、右折の細い道が見えている。

あった〜〜〜。ここやったんや。見つけたぞ!  細い道を登って行くとゲートが。
着いたで〜〜〜。ここでチケットを買うと一週間ボルケーノ国立公園の中を自由に散策出来るとのこと。
おばさんが「何処からですか」というので「JAPANから」と言うと「楽しんでください」と笑った。
ホテルが見えたひにゃあ感動の歓声を上げた。そして、いっぺんにお腹が空いたことに気が付いた。時計を見ると5時。車で空港を出たのが1時頃。所要時間45分のホテルまで何時間掛かったのか。
ホテルは見上げるような南国の木々に囲まれた古い感じの建物だった。予定してたのは3時頃からこの森の中を散策するはずだった。
結局散策したのはハワイ島11号線だった。
Sさん、お疲れさまでした〜〜〜。
                   M・Y