しばらくのご無沙汰でした⑬

院長様に進言したことは後二つあった。トイレと部屋の床に貼ってあるカーペットのことだった。
私はいろんな事情で個室に入っていた。一人の良さもあったが使いにくいのだ。
トイレは車椅子でもOK。が、しかし手すりが危なくて使えない。
手すりだけ立派すぎるのだ。幅が広くて握れない。体重を掛けて座ろうとするとツルツルしていて滑る。用を足して立ち上がる時も滑る。ふらついて危うく手すりの端っこを持とうとした。ところが端っこが格好良くまがっているので持ちこたえられず滑ってしまう。何と怖いトイレだろう。

このトイレで良かったのは座っている時だけ。
アレキサンダー大王か リンカーンになった気分だった。

患者のことなんか何も考えてへん証拠や!!
カーペットもそうや。
ここは電動車椅子は禁止なので自走で移動している。
個室とはいえ結構狭い。その中で出たり入ったり。 トイレに入るのには90度の直角に曲がらなあかん。
そのために何度かの切り返しが必要。
とうとう右の肩まで痛めてしまったのだ。
ここは一体何所?  病院ちがうんか?  
高い部屋代出して貰ってるから少し豪華にした積りなんか。
みんな患者の為じゃなくて見栄やんか。

こんな言葉ではなくて、柔らかく上品に言って差し上げました。
院長さんは少し寂しげに「こいつかぁ」と言いカーペットを撫でておられました。

トイレの手摺りは若い療法士さんのアイディアで改善(?)された。
ピンクの滑り止めのネットをガムテープで巻き付けてくれた。
これで命拾いしたのだった。 


  ちなみにこのブログを書くためにトイレの写真を検索した。
  《病院 個室のトイレの手摺り》で探したけれど一つとしてこのタイプは無かった。
  今時、病院でこんな手摺りを使こてる所は無い、ちゅうこっちゃ。
  
ところでこの写真はリフォーム会社の古い資料から拝借しました。

                                M.Y