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しばらくのご無沙汰でした⑨

入院中に読んだ一番厄介な本はキュープラロスの『人生は回る輪のように』だった。
この本は死の受容のプロセスを五段階に分け、学問として確立した本で、彼女の自伝でもあり、この写真の人である。
長い間、積読だったけどこの際読破することにしたのだった。
静かに読んでいると看護師さんが入って来た。
彼女は大柄で、いつも靴の踵を踏んでノシノシと歩くカバのような人なのだ。
「凄い本読んでるねんねェ。私も看護学校の時読まされたわ。でも私この人嫌いやねん」
「なんで? 看護師としては大事なこと言うてはるやんか。 どこが嫌いなん?」
「顔が嫌いやねん」
「???」  私は言葉が出ない。
けど、心の中で叫んだ。〝お前が他人の顔のこと言えるか!〟と。
やおら私は言った。
「へ〜 よっぽどブサイクやねんなぁ」と。  何にも悪気は無かったんですが…  それからその看護師さんは冷たかった。  
         何かお気に障ったのでしょうか?

                               M・Y