60回目の誕生日


娘から荷物が届いた。
開けると赤いベストだった。
チャンチャンコではなかった。
なかなかカッコいい、さすが我娘だ。
親父が還暦になった時のことを思い出した。
家族が集まってチャンチャンコと赤い帽子
のようなものを身につけた親父は
心からうれしそうだった。
その姿をみながら60歳になって
年寄りの仲間になってしまったのに
何がうれしいのか私にはさっぱりわからなかった。
今は少し判る。
生まれてくるみんなが
半世紀を越えて還暦を迎えれるわけでは無い。
私の周りにも若くして天に登っていった命が幾人もある。
天命といえばそれまでだが、
せめてみんな還暦まではこちらにいて欲しかったなあ。

shinya