さわやかな一日でした


今年初めて黒滝村に行った。
たまたま村の神社で祭りがあるということで
見る事にした。
普段は誰もいない境内には神職姿の男性が2人
雅楽担当が5人、地元のお偉方が8人ぐらい。
それに小学生高学年と思われる少女が4人、
おごそかに式が始まった。
凛とした表情の彼女達を見て
昔奥吉野に住んでいた時のことを思い出した。
我娘は小学生の低学年のころから黒滝と同じような山村で育ち、
友人といっしょに神社で舞いを舞うのが夢だった。
私の都合で中学を前に大阪へと移ったため、
彼女の望みはかなえられることはなかった。
普段から感情を表に出す事も少なく、
駄々をこねて泣きだすこともなかった娘が、
その時は泣きに泣いた。
大粒の涙はいつまでも流れ、
嗚咽は聞いたこともない激しさであった。
私は声を掛けることも出来ず
ただ見守るのみであった。
そのことを思い出し、私はこころの中で手を合わせた。
村の行事を続けるのは大変だとよく聞くが、
どうか何時までも残していって欲しい。


shinya