ある評論家の話し


いつもいつも聞いている訳ではないのだが、
たまにラジオから流れてくると聞いてしまう番組があった。
クラシック音楽を楽しむ番組なのだが
それが他の番組とはいっぷう違っている。
先ずはナレーションの声が小さい。
ボリュームを上げないととても内容が聞き取れない。
よけいに気になって何をしゃべっているのか気になり
熟聴するとなかなかに面白い話をしてくれる。
熱心なクラシックファンでない自分にも
「おうそんな見方があったのか」と
目が点になるような話をしてくれる。
決して小難しい言い方では無く、わかりやすい言葉だのだが
言っている内容はどこまでも深いのである。
つい先日そのナレーターが吉田秀和さんであることを
新聞の訃報で知った。
こんなに凄い人とは全然しらんかった。
そうと知っていればもっと熱心に聴けばよかった。
テレビでのインタビュー番組を見て、
文章を読んでみた。
あまり簡単には使いたくない単語だが
この人こそ「知の巨人」であると思った。

shinya