久しぶりに薬師寺行こうかな


西岡常一さんの記録映画を観た。
私が最初に彼のことを知ったのは、
ラジオ深夜便の「こころの時代」というコーナーだった。
(今は明日へのことばとなっている)
日本の木造寺社建築に全く知識のない私にとって
その話は仰天する内容であった。
「木を買わず、山を買え」
「個性を殺さず癖を生かす。人も木も、育て方、生かし方は同じだ」
すごい言葉を次々に放つ彼の声は実にやさしく愛情に満ちたものだった。
千年を生きたヒノキは千年立ち続ける建物の為に使わんければならない
という主張は、西洋の建築思想を遥かに超えるものである。
彼は最後の棟梁と呼ばれた。しかし私はそうは思わない。
薬師寺の建築で彼に技と心を学んだ13人が、
彼の意志をつがない訳が無い。
日本の文化の神髄の一つを
彼らが次の世代につなげてくれると私は信じる。

shinya