傘物語


ある朝のこと。Iさんが出かける時空は暗く小雨が降っていました。その日は一日中怪しいお天気。晴れたり曇ったりで夕方にはとうとう雨が降り出したのです。  でも、Iさんは傘を持って行ったのでよかった!  
帰って来たIさんはボトボトで「雨に濡れたから寒い寒い」と言って帰ってきました。
「えっ なんで? 傘持って行ったンと違うかった?」と私。
「忘れて来た」「…せっかく持って行ったのに…」
「出る時やむから悪いねん」なるほど。忘れて来た事は予想通りや。
次の日は良い天気でした。  そんな中しっかり昨日の傘を持って帰ったIさん
「今日傘持ってたんオレだけやった。ちょっと恥ずかしかった」さもありなん。
次の日、朝の天気予報では夕方から雨。
「今日は傘持って行かなあかんなぁ」というIさん。  夕方はしっかり雨でした。
「また濡れてしもうた! ああ寒い〜」「傘は?」「家に置いてた。 持って行くのん忘れた」 あ〜どうしようもないわ。
次の日もやっぱり小雨でした。でも大丈夫でした。持って行った傘をしっかり抱えて御帰還。その姿を見た途端、連日の傘事件を思い出したわたしは可笑しくて可笑しくて笑いが止まりません。
Iさんは言いました。
「何がおかしいねん。この傘イギリスの物で、ええ物やねん。可笑しいものとちがうよ」 可笑しいのは傘じゃないねん。
ほんでイギリスでもアメリカでも傘は雨の時に使こうて値打ちが出るんです。持って歩けばええもんとちがうで〜
何と言ってもここは日本です。
                                      M.Y