お洒落な番屋

ここはバルト海の海辺に並ぶ漁師小屋。なんとお洒落なんだろう。青い芝生の向こうにずらりと並ぶ小屋。日本では番屋といい、割とみすぼらしく、悲壮感が漂うイメージがある。でもここは違うよ。誇らしく胸張って立っている。それよりも可愛いよ。入り口に長椅子なんか置いてあって、分厚い手編みのラフなセーターを着た髭もじゃの漁師さんが、一仕事終わった後の休憩なんかしているのだろう。      波の音を聞き、磯の香りに包まれているといろいろと想像が広がる。きっとハンチングを被って、パイプなんか吹かしているかな。  
傍に行って見るとそれぞれの日当たりの良い壁には木の枝をそのまんまつけてある。網やらロープなんか掛けて置くのに使っているのだろう。お洒落やなァ。そんなカッコいい漁師さんに会って見たかった。でも会えたのは降り注ぐお日様と波の音だけだった。     M.Y