生「言葉に出来ない」を聴きました


昨日小田和正のライブを見た。
その前に見たのは高橋真梨子であり、
もうひとつ前は井上陽水だった。
ここ数年外国人アーティストの演奏はまったく見ていない。
記憶をたどってみると、確か最初にライブを見たのは
レッド・ツェッペリンだと思う。
まだ高校生であった。
ロックを聴くのは世間的に不良であり、
コンサートに行くのは学校的にいうと違法行為であった。
苦労してゲットしたチケットを大事に持ち、
教師の張り込みがないかどうかびくびくしながらホールに到着すると、
同級生がいた。
学校で一番ギターがうまいという評判の彼は
チケットを手に入れることが出来なかったのだが、
何とか潜り込めないかと来てみたのだという。
彼をあとに残して私は中に入って行く。
それまでクラシックの演奏会にしか行ったことがなかった私には
ツェッペリンの演奏は爆弾みたいなものだった。
観客もすごかった。自分以外は全員不良学生や不良大人に思えた。
ステージ上も観客席のエネルギーが暴発している。
夢のような数時間が過ぎすっかりロックの虜になった私はホールから出た。
するとあの同級生が近づいて来た。うまく入る事が出来たみたいだ。
彼は感動しっぱなしの私にこう言い放った。
「ジミーページって言われているほどギターうまいことないなあ」。
世界三大ギタリストといわれギタリストを目指すものにとっては
神様のような存在の彼を、彼は一言で切ってすてたのだ。
私の長いギター人生はその時に始まったとしていい。

shinya