朝から食欲のない私です


M.Yさんが料理を作った。
友人がレシピを教えてくれたらしい。
何でも家族全員がその料理を好きで
大量に作ってもすぐになくなるらしい。
「どんなん?」と聞くと白菜とシーチキンの缶詰があると簡単に出来るらしい。
それではということでM.Yさんが作り始めた。
作っているときにみられるといやがるので私は食卓に座って
評判の料理が出来上がるのを待った。
はいどうぞとさら山盛りに出たそれは何か得体のしれない物体だった。
ぐつぐつと煮込まれ形が無くなりかけた白菜の間に崩れたマグロが浮かんでいる。
色もしまりがない。
私は見たとたん昔いやいやおばあちゃんに食べさせられた野菜の煮込みを思い出した。
一口食べると私は急に無言になった。
M.Yさんも無言である。
しばらくたって口を開いた。
「何か他のおかず出そうか?」
私はなぜか意地になっていった
「そんなん出たらこの白菜のおかず絶対捨ててまうからやめとこ」
妙なところで意地をはってしまう所がある。
やっとのことでそのおかずを完食すると私は尋ねた。
「ホンマにこの料理教えてもろたんか?」
するとM.Yさんはこう言いはなった。
「ホンマホンマ、でもその人な、料理するの大嫌いやねん。」
私は怒る気も無くなってしまった。
そう、信用した私が悪い。
私がばかだった。

shinya