カナダだ〜⑤


せっかくの日本からのお客さんなので、あちらこちら食事に連れて行ってくれた。
中華料理、ベトナム料理、インド料理、イタリア料理、もう御馳走さま
従姉妹たちにも迷惑が掛るので今日は家庭料理が食べたい、と言ったらモールへ出かけ、でっかい肉のかたまりを買ってきた。
そして、従姉妹の旦那は言った。
「僕が焼いた肉は美味しい美味しいってみんな言うんだよ。大きいのを焼いてあげよう」
違うねん。私達はもうコッテリした味に辟易してるねん。すこーしの量で、美味しくてさっぱり味のお肉が食べたいねん。
あんたが焼くより、一緒に行ってるshinyaはんの方が美味しいはず。だってプロだもの。
「僕が焼きますわ」と遠慮がちに言うと「no! no! 肉は僕に任せておいて。日本の人には無理だよ」と強気そのもの。
従姉妹が「shinyaはプロなんだから焼いて貰いましょうよ」と言ってくれた。途端に強力な一言が…
「それでは、お手並み拝見としょぅか」
私もびっくりしたけど、本人は?  見ると棒立ちで目を丸くしていた。
味は軽い塩味で、最高に美味しかった。

shinyaはんは言う。「今まで料理であんな言われ方をした事は無い。侮辱や!」と。
でもね。人間考え方一つで変わるよ。
あの一言はあなたにとって一番の良薬だよ。
天狗の鼻もたまに叩き折らないとあかん。良い勉強だったと思って下さい  ませ。ませ。

                                         M.Y