15年


今日もあの日が来た。
朝からテレビは地震の特番が入っている。
あれからもう15年もたったのだ。
地震が起きた前の年の師走に
私は兵庫県西宮の家から奈良に引っ越しをした。
地震が起きた時、寒いので寝床に入ったままだった私は
突き上げるような揺れに反応してすぐにテレビをつけた。
速報で阪神間に大きな地震が起きたことをしり、
それからしばらくして炎に包まれた長田の映像を見て
強い衝撃を受けた。
二日後、水や食料を詰め込んだ荷物を持って
西宮に出かけた。
西宮北口を降りて北に向け歩きだした。
中学のころから慣れ親しんだ街並みがへしゃげている。
現実には見えない。
画面の中の遠くで起こった映像を見ているようだ。
やっと住んでいた地域にたどりつき、
知りあいの家をめぐる。
みんなの顔から恐怖が抜けていない。
親父が親しくしていた老夫婦を訪ねた。
疲れ果てた様子、水が出ないのが一番困るという話を聞く。
なんどもなんども「来てくれてアリガトウ」をくりかえす。
帰る時に見た不安そうな顔が忘れられない。
二人のうち、お爺さんは半年後に亡くなった。
ここ連日地震を忘れないでというメディアの報道の中、
ハイチで地震が発生した。
どうも救助がうまく機能していないようである。
世界から駆け付けた救助の方々には
考えられるあらゆる手をつくして
命を救って欲しいと熱望する。

shinya