皆既日食からお好み焼きまで


心が震える。なぜか涙があふれてくる。
宇宙の神秘、偉大さに震えていた。
  なぜか神を感じた。
  逝った人を感じた。
  命を感じた。
  命の裏側を見たように思った。
私も生まれる前、こんな光の中に居たような気がした。
このリングの素晴しい輝きは死ぬまで消えないだろう。 私の中で。
そして、静かに皆既日食は終わった。
音もなく太陽が現れ始めた。
途端に温度が上がり始め暑さが戻ってきたのだ。
太陽って凄いなあ....と改めて感動してしまった。
そして今、この地球上で生きていることに、素直に感謝しよう。
自分にも素直になろう。
愛にあふれた言葉を持とう。(無理やなあ、きっと)
太陽は三日月(?)になり、だんだんといつもの姿になりつつあった。
欠けていく時はあんなに緊張が走ったのに現れる時の人たちは
片づけに掛っている。
太陽が可哀想になった。
”私、最後まで見ていてあげるね”と呟き、まだ日食眼鏡をかけていた。
突然NHKのクルーが携帯をかける。
「そちらは如何ですか?えっ?大雨ですが?
 こちらは大成功でした!」
奄美大島、悪石島は大荒れで、全滅だったとか。
喜界島だけが観測できたらしい。よかったですね。
連絡の後「バンザーイ!カンパーイ!」の大合唱が沸き起こった。
他人の不幸を喜ぶのではないけど、
その気持ちよ〜く分かります。
このバンザイは許してあげよう。
だって私も言いたいですもの。
お昼過ぎにはすっかり元の島に戻っていたが号外が出たのだ。
私達はおみやげにするため10部も買い占めた。
今もラミネートして壁に貼ってある。
興奮さめやらない翌日、お好み焼きパーティをした。
スーパーらしきお店に行った。
大阪から送らないでも良かったくらい品揃えは良かったのだ。
ただ、秘密のだし粉とテコとおたふくソースは無かった。
何もない島....と思っていたこと。 ごめんなさい。
でも、ファミレスとマクドは無かったよ。
美しい自然と、温かい人達は溢れるほど....でした。
ありがとうございました。