枯れ葉にうぐいす


つい最近不思議な物を見た。
ある小さな美術館のエントランスの通路上に
うぐいすが1羽たたずんでいる。
すぐ近くに寄っても、身動きもせずにいる。
野生のうぐいすをこんなにも近くでみたことは無い。
暫くの間、見ていたのだが、ほとんど身動きもせずにいる。
逃げるような気配はまったく見せない。
帰りに通るともうその姿は無かった。
何故か小さな生き物が近くに寄ってくると、
先に亡くなった人の事を思う。
蝶などが妙にまとわりつくと、
「ああこの蝶はあいつが私に会いに来ているのだ」と考える。
特に幼かったり自分より若かった人のことを思い出してしまう。
その考えは科学的に実証されることは決してないが、
私のこころの中では真実である。
あのうぐいすは誰が私に会いに来たのだろうか?
そう考えるのはなかなか楽しいことではある。

shinya